体外受精、顕微授精を控えている方で、レトロゾールを使用して採卵に挑まれる方が当院でもたくさんおられます。
レトロゾールはアロマターゼ阻害薬という種類の薬で女性ホルモンの合成を阻害する働き(アンドロゲンからのエストロゲン生成阻害)があります。
なぜ、女性ホルモンの合成を阻害するのに卵胞が育つかというと、エストロゲン(卵胞ホルモン)が一時的に減少すると、身体の中でもっとエストロゲンを増やさなければ、と卵胞を刺激するホルモンが出るようになります。(ネガティブフィードバック)
レトロゾール低刺激体外受精はレトロゾール単体で使用する方法の他に、少量のクロミッドや、少量のhmgやFSH注射を使用して卵胞を育て採卵する方法があります。平均で約1~2つの卵子の回収が期待できます。
レトロゾール単体では、採卵できる卵子の数は1つですが、小さい卵胞(4㎜くらいからの卵胞からも)を含む全卵胞採卵により、卵子を複数個採卵できる可能性もあります。これはレトロゾールでFSHの感受性が良くなることで、成熟した卵子が採れるためです。
体の負担が少ない採卵法で自然に近い方法がレトロゾール周期採卵になります。
多嚢胞性卵巣症候群に効果的
レトロゾールはfshが低い人でも少量のfsh注射(hmg注射)で卵胞が育つため以前ブログでも取り上げた多嚢胞性卵巣症候群に効果的で採卵数の増加が見込めるのがメリットです。
ちなみにレトロゾール自体には卵巣刺激作用が無いためレトロゾール単体では採卵できる卵子の数は増えません。(上記の全卵胞採卵を含まない)
鍼灸治療では血流を改善し、卵胞の発育をよくすることを狙い、週1回程度の治療を併用で受けて頂くことをおススメしております。
